最後の恋 〜 eternal love 〜
一ノ瀬君と再会してから1年が経った。


紫乃と向き合えたあの日、彼とも初めて向き合うことが出来た。


以前とは同じようで、確実に違う新しい関係があの日から始まったのだ。


『結婚を前提にしたお付き合い』


彼との結婚なんて、絶対に無理だと夢さえも見たことはなかった。


絶対に叶えられない夢は見たくなかったし、夢を見てしまうと現実に戻れなくなるーーーそう思っていた。


あの頃は、いずれ終わりが来るのが私たちの運命だったから。


彼そのものが、私にとって夢であり過去が見せる幻のような存在だったのだ。


今でも、時々これが夢なんじゃないかと不安になってしまう時がある。


だけどそんな時、彼はいつも私に確かな温もりと安心をくれた。


“ 夢じゃない 、これは紛れもない現実なんだと ”
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