最後の恋 〜 eternal love 〜
「昨日は寝かけせてあげられなくてごめんね…」


言いながら彼の大きな手が私の頬を滑り落ちると、顎をとらえる。


彼の顔が傾いたまま、ゆっくりと近づき何も見えなくなった。


ここは会社なのに、ダメだと思うのに、その思考さえも彼の甘い熱に浮かされ溶かされていく。


何度も角度を変え、重ねられる口付けがゆっくりと距離を開け離れていく。


「やめて欲しくなかった?」


彼はまたイジワルな顔をしてそう言った。


常日頃から会社ではダメだと言っているのに…そんな私をいじめて愉しむ彼に


「…やめないで。」


口をついて出た言葉は、どうしようもなく止められなくなってしまった心の声だった。
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