国王陛下の極上ティータイム
「なぜそこまでこだわる?」
「私はここで妥協するわけにはいきません。我が主のためにも、私自身も。王太后様のご期待に応えられる茶を淹れるために私はここにいるのです」
それを聞いたブランは面食らったような顔をして、それからふっと笑った。
「分かった、私も手伝おう」
「恩に着ます」
それからクラリスとブランは茶葉を探すことになった。
さすが王宮と言うべきか、壁一面の茶棚には多様な種類の茶葉が保管されていた。
同じ茶葉でも産地ごとに置いてあるようで、これはお茶係のブランとはいえ把握しきれないだろうなとクラリスは思った。
「これは?」
クラリスが茶棚からエメの文字が書かれている缶を取り出す。
ブランは首を振って「それは東産だ」と言った。
「それは南産のものよりずっと標高の低い場所で採れたものだ。エメ特有のクセが強く、淹れるのにコツがいるが、ミルクとの相性が抜群だ」
なるほど、とクラリスは頷きながら缶を元に戻す。
エメの文字が書かれた缶を見つけ、間の蓋を開けると茶葉がたっぷり入っていた。蓋を開けただけだというのに、強くも優しい香りが漂う。
南産の茶葉よりもずっと強く芳醇な香りだ。
「これは…」
「サンドリア産のエメだ」
ブランは誇らしそうに言った。
「私はここで妥協するわけにはいきません。我が主のためにも、私自身も。王太后様のご期待に応えられる茶を淹れるために私はここにいるのです」
それを聞いたブランは面食らったような顔をして、それからふっと笑った。
「分かった、私も手伝おう」
「恩に着ます」
それからクラリスとブランは茶葉を探すことになった。
さすが王宮と言うべきか、壁一面の茶棚には多様な種類の茶葉が保管されていた。
同じ茶葉でも産地ごとに置いてあるようで、これはお茶係のブランとはいえ把握しきれないだろうなとクラリスは思った。
「これは?」
クラリスが茶棚からエメの文字が書かれている缶を取り出す。
ブランは首を振って「それは東産だ」と言った。
「それは南産のものよりずっと標高の低い場所で採れたものだ。エメ特有のクセが強く、淹れるのにコツがいるが、ミルクとの相性が抜群だ」
なるほど、とクラリスは頷きながら缶を元に戻す。
エメの文字が書かれた缶を見つけ、間の蓋を開けると茶葉がたっぷり入っていた。蓋を開けただけだというのに、強くも優しい香りが漂う。
南産の茶葉よりもずっと強く芳醇な香りだ。
「これは…」
「サンドリア産のエメだ」
ブランは誇らしそうに言った。