国王陛下の極上ティータイム
「サンドリア、有名な産地ではないですか!」
顔を上げたクラリスに、「さすがお茶係だな」とブランはクラリスの知識の深さを認めるように口の端をあげて少し笑う。
「仕入れの時に新商品として並んでいて、思わず買ってしまってな。少々値が張るが、エメの中では最高級だろう」
確かにブランの言う通り、香りの強さが他のエメとはまるで違う。こんな茶葉からお茶を淹れたならどんなにおいしいのだろう。想像しただけで幸せになってしまうほどだ。
「しかしサンドリア産の茶葉が扱いが難しくてな」
ブランは厳しい表情でそう言った。
「湯の温度、蒸らす時間、細かい調整が必要で、おいしく淹れるには難しい。私自身もあまり上手に淹れることができないでいる。どうする?」
美味しい茶をいつも淹れることが難しいことであるということを、クラリスは誰よりも知っていた。
だからこそ失敗する確率の高い茶葉は今この場所ではあまり扱いたくないとも思う。
しかしこれがいちばんいい選択肢であるだろうとクラリスは信じて疑わない。
そう決めたなら、クラリスは止まらない。
「挑戦します。サンドリア産のエメのストレートにします」
顔を上げたクラリスに、「さすがお茶係だな」とブランはクラリスの知識の深さを認めるように口の端をあげて少し笑う。
「仕入れの時に新商品として並んでいて、思わず買ってしまってな。少々値が張るが、エメの中では最高級だろう」
確かにブランの言う通り、香りの強さが他のエメとはまるで違う。こんな茶葉からお茶を淹れたならどんなにおいしいのだろう。想像しただけで幸せになってしまうほどだ。
「しかしサンドリア産の茶葉が扱いが難しくてな」
ブランは厳しい表情でそう言った。
「湯の温度、蒸らす時間、細かい調整が必要で、おいしく淹れるには難しい。私自身もあまり上手に淹れることができないでいる。どうする?」
美味しい茶をいつも淹れることが難しいことであるということを、クラリスは誰よりも知っていた。
だからこそ失敗する確率の高い茶葉は今この場所ではあまり扱いたくないとも思う。
しかしこれがいちばんいい選択肢であるだろうとクラリスは信じて疑わない。
そう決めたなら、クラリスは止まらない。
「挑戦します。サンドリア産のエメのストレートにします」