国王陛下の極上ティータイム
ふつふつと湧き上がるいらだちを必死に押し殺しながら、クラリスは茶を注ぐ。
「あら、良い香りですこと」
立ち上る香りに王太后はうっとりとした笑顔を浮かべた。
「これは何のお茶ですの?」
王女が興味津々といった様子でティーカップを覗き込む。
「エメにございます」
クラリスは答えた。
「エメ?」
王女の表情が崩れた。眉間にしわが寄っている。
「貴女、私の好みを知っていらっしゃるのかしら?私茶の中でもエメは嫌いですのよ」
厳しい言葉が飛び、場の空気が凍る。
隣にいるブランはやってしまったと冷汗をかいているが、クラリスはいつもと変わらずに「存知ております」とまっすぐ王女の目を見て答えた。
「王女が渋味のある茶を好まれていらっしゃらないことは、存知ております。
しかしながらこのエメはサンドリアで採れた最高級茶葉でございますゆえ、エメ特有の渋味がないのでございます。一度お口にされればきっと王女様もお気に召されるかと」
クラリスはただまっすぐに見つめているだけだったが、王女は明らかにクラリスを睨みつけていた。クラリスはそれを気にすることなくまっすぐ見つめていたため、しばらくの間、お互いの瞳がぶつかりあっていた。
そのまま均衡状態が続きどうなるかと思ったとき、「結構よ」と王女が口にしてそれは終了した。
「貴女がそこまで言うのなら、頂くわ」
クラリスは頭を下げた。
「あら、良い香りですこと」
立ち上る香りに王太后はうっとりとした笑顔を浮かべた。
「これは何のお茶ですの?」
王女が興味津々といった様子でティーカップを覗き込む。
「エメにございます」
クラリスは答えた。
「エメ?」
王女の表情が崩れた。眉間にしわが寄っている。
「貴女、私の好みを知っていらっしゃるのかしら?私茶の中でもエメは嫌いですのよ」
厳しい言葉が飛び、場の空気が凍る。
隣にいるブランはやってしまったと冷汗をかいているが、クラリスはいつもと変わらずに「存知ております」とまっすぐ王女の目を見て答えた。
「王女が渋味のある茶を好まれていらっしゃらないことは、存知ております。
しかしながらこのエメはサンドリアで採れた最高級茶葉でございますゆえ、エメ特有の渋味がないのでございます。一度お口にされればきっと王女様もお気に召されるかと」
クラリスはただまっすぐに見つめているだけだったが、王女は明らかにクラリスを睨みつけていた。クラリスはそれを気にすることなくまっすぐ見つめていたため、しばらくの間、お互いの瞳がぶつかりあっていた。
そのまま均衡状態が続きどうなるかと思ったとき、「結構よ」と王女が口にしてそれは終了した。
「貴女がそこまで言うのなら、頂くわ」
クラリスは頭を下げた。