国王陛下の極上ティータイム
「待っていましたよ、クラリス」
部屋の中には王太后の他に、王女と、先ほど出会った金の髪の男性が座っていた。
「クラリス殿?」
動きを止めたクラリスに促すように、耳元でブランが焦ったように話しかける。
王太后はそんなクラリスを見て、「クラリス、紹介するわ」と優雅に微笑む。
「息子のランティスと娘のジュリエッタよ」
王太后の娘というのは王女であり、息子というのは国王陛下のこと。
そして息子だと紹介されたのは、先ほどの金の髪の男性だ。
目を向けるとにっこり微笑んで手を振っている。やはり先ほどクラリスと出会ったことを覚えているようだった。
「お母様が言っておられたのはこの娘のことなのですの?」
王女は訝しい目でクラリスを見つめる。こんな下賤な人物が、と思っているのだろうなとクラリスは思った。
そう思われても仕方がないなとも思った。クラリスの身分は伯爵家侍女でしかないのだから。
「ええ。とてもおいしい茶を淹れてくださるの」
王太后はにっこり微笑み、国王陛下は「母上がそのようにおっしゃるとは、楽しみですね」と美しく笑う。
その笑みはまるで花が咲くようだけれど、クラリスにはどうにも小ばかにされているように感じてしかたがなかった。
相手が国王陛下でありこの国の最高権力者であることは重々分かっているのだけれど、どうにもその笑顔を見ていると腹が立ってくるのだ。
部屋の中には王太后の他に、王女と、先ほど出会った金の髪の男性が座っていた。
「クラリス殿?」
動きを止めたクラリスに促すように、耳元でブランが焦ったように話しかける。
王太后はそんなクラリスを見て、「クラリス、紹介するわ」と優雅に微笑む。
「息子のランティスと娘のジュリエッタよ」
王太后の娘というのは王女であり、息子というのは国王陛下のこと。
そして息子だと紹介されたのは、先ほどの金の髪の男性だ。
目を向けるとにっこり微笑んで手を振っている。やはり先ほどクラリスと出会ったことを覚えているようだった。
「お母様が言っておられたのはこの娘のことなのですの?」
王女は訝しい目でクラリスを見つめる。こんな下賤な人物が、と思っているのだろうなとクラリスは思った。
そう思われても仕方がないなとも思った。クラリスの身分は伯爵家侍女でしかないのだから。
「ええ。とてもおいしい茶を淹れてくださるの」
王太后はにっこり微笑み、国王陛下は「母上がそのようにおっしゃるとは、楽しみですね」と美しく笑う。
その笑みはまるで花が咲くようだけれど、クラリスにはどうにも小ばかにされているように感じてしかたがなかった。
相手が国王陛下でありこの国の最高権力者であることは重々分かっているのだけれど、どうにもその笑顔を見ていると腹が立ってくるのだ。