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最期の時
アタシの体調は良くなったり悪くなったりで
薬の副作用もあって立ってられない時もあった。

免疫力も弱ってしょっちゅう高熱が出たり
何度も肺炎になり掛けて入退院を繰り返した。

以前よりも辛く感じて
生きる気力すら失いそうになった。

レオはそんなアタシを見てとても辛そうだった。

そしてレオはある日突然、タクミを病室に連れて来た。

「キョウ…タクミが逢いに来てくれた。」

タクミはアタシを見て驚いていたようだ。

多分想像していたより状態が悪かったからだ。

アタシはタクミとほとんど話もできなかった。

ただタクミの目を見て、頷いた。

大丈夫だと伝えたかったが、苦しくて言葉にならなかった。

それからハナエが来たり、大学の友達が来たり…
まるで最期にいろんな人に会わせてくれてるみたいで
アタシはそれがレオの覚悟だと思った。

もう多分長くないのだ。

日々、身体は力を無くして
今の状態では移植も叶わないことを自分でも悟っていた。

死はきっと目の前にある。

そう思っていたが、アタシをまだ神様は見捨ててなかった。

先生たちの努力でアタシはなんとか持ち直して
退院出来るまでになった。

でもこれがきっと最後の退院だと
なんとなく自分でも分かっていた。






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