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アタシはお見舞いに来てくれた人やお世話になった人、そして大切な人に手紙を書いた。

手紙はアタシが居なくなった後にみんなに届くように
書き残した。

手紙を書くと色んな事を思い出した。

ハナエと始めて会った日のこと。

タクミとの交際と微妙な友人関係に悩まされて
何度もハナエを妬んだこと、そして妬まれてたこと。

レオと過ごした日々。

結婚したばかりの幸せだった頃のこと。

レオを裏切って苦しめたこと。

ケンカして
離婚まで考えて
レオを愛さなかった後悔。

最後までアタシを支えてくれたことへの感謝。

タクミと一緒に育った幼少時代。

小学校の入学式に二人並んで写真を撮った日のこと。

初めてキスした日のこと。

初めて抱かれた日のこと。

初めて浮気した日のこと。

バレーをして輝いていた頃のこと。

タクミがケガをして夢を諦めた日のこと。

そしてそんなタクミをずっと愛し続けてしまったこと。

アタシの人生は後悔ばっかりで
最後に何をすべきかずっと考えていた。

そんな時、レオが言った。

「キョウ…タクミがずっと好きだって分かってたのに
今まで縛ってゴメン。

キョウはそんな自分をずっと後悔してるんだろ?

だからキョウは…今からでもタクミと暮らすべきだと思うんだ。」

そしてレオは離婚届をアタシの前に置いた。

レオの名前と判はすでに押してあった。

「キョウが書いたら役所に俺が持ってくから。

今までごめん。キョウはこれからもっと幸せになるべきだ。

だからキョウ、生きる事を諦めないで欲しい。」

アタシはとっくに気がついていた。

アタシのそばに居るべきなのはタクミじゃなく
レオなのだ。

それは病気になって頼ってたからじゃなくて
アタシはレオと離れたらきっと生きていけない。

アタシが生きてきた中で自慢できるのは
レオにずっと愛されたことだけだったから。















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