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会場に行くとアタシはレオと合流した。

そしてタクミの隣にはハナエが来る。

その日、成人した記念にアタシたち4人はハナエの一声で一緒にお酒を飲みに行くことになった。

レオとは一緒に帰省はしたけど
同じアパートに居ながら
お互いの大学は遠く、帰らない事もしばしばで
最近はなかなか会えなくなった。

ハナエはモデルの仕事が減り、
地元で大学の友達と遊んでるみたいだった。

タクミの前では言わないけど…
ハナエが合コンに行ったり
入ってるサークルには地元の大学の男子もいて
数人と遊んでる事を知っていた。

タクミはタクミでバレーボール一色の毎日で
ハナエに構う余裕もない。

アタシたちの間に流れる空気は
高校の時とだいぶ違っていた。

「レオはもう病院とか行ってるの?」

「いや、まだ普通の大学生と変わらないと思う。

講義とか聴いたりだけで、専門的な勉強はまだまだだよ。」

「でも大学の病院とかに行くんでしょ?」

「高学年になったらね。

今は全然だよ。」

レオの世界はきっとそのうち大きく変わるんだと思った。

医者の世界は大変そうだし
研修とかも厳しそうだ。

そして医者になったらレオとは多分今よりもっと会えなくなるだろう。

タクミはどうなるかわからないけど…
全日本に選ばれるのが今の最大の目標だ。

ハナエは短大だから今年卒業して都内に就職が決まっていた。

そのうちみんなバラバラになると思うとすこし寂しかった。


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