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最近はテレビや雑誌で見る事が増えたタクミが
アタシの上にいるのが信じられなかった。

「キョウ…太った?」

「え?」

タクミは前のアタシのカラダを覚えてるんだろうか?

「胸デカくなったな。」

顔から火が出そうで
アタシはタクミから目をそらす。

「太ってないよ。」

ホントは少しだけ太った。

タクミと違って運動する時間もないし
仕事のストレスで甘いモノばかり食べて
3キロくらい増えてた。

「このくらいのがいいよ。

前はちょっと痩せ過ぎだった。」

タクミがアタシの胸にキスをして
アタシはタクミの腰に脚を絡める。

「感じる?」

思わずタクミの腕を掴んだ。

その時、タクミの肘に傷があるのに気がついた。

アタシはタクミの腕を見た。

「手術したの?」

「あぁ、まぁね。」

傷は思ったより大きくて
大変な手術だったんだと思った。

「バレーいつから出来てないの?」

「俺に興味なかったんだなぁ。」

アタシは恋しさからなるべくタクミのニュースや雑誌を見ないようにしていた。

ただ日本代表選手のリストを偶然目にして
そこにタクミの名前が無いと知ったくらいだ。

「もう半年コートに立ってない。」

タクミはずっと華やかな世界に居ると思ってたけど…
そうではなかった。

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