エリート医師のイジワルな溺甘療法
「そっか。穂乃花のこと大事なんだもん、そういうポイントは外さないよね。鉄壁要塞の中に入り込んだ穂乃花は、無敵じゃない? すぐにプロポーズされそう」
「プ、プロポーズ!!?」
思わず大きな声を出してしまって、慌てて周りを見回した。
反応してこっちを見た人もいるけれど、主に男性ばかり。すぐに興味をそがれた様子で、自分たちの話と食事に戻っている。よかった。今の時間、面倒な詮索好きな女子はいない。
「やだ、穂乃花ってば、そんなにびっくりしなくても。年齢的に考えれば、結婚前提のお付き合いじゃない?」
そこまで言った麻友の顔が、一瞬ぴかーっと輝いて見えた。
なにかいい考えを思いついたみたいで、にこーっと笑う。
「そうだ、穂乃花。先生は結婚願望があって、あの部屋を買ったのかもよ!」
「へ……そうかな??」
「そう。まず装備を整えてから、結婚相手をさがそうとするタイプ? 形から入る人っているじゃない。女って条件に弱いしさ。家とか収入とかあったほうが武器になるもん」
「婚活のために、家を購入……?」
そりゃあ彼がその気になれば、社長令嬢だって楽々ゲットできただろう。麻友の言うことにも一理ある気はする。
私だってアラサーだし、彼との結婚を考えたい。
けれど……彼は、どう考えてるのかな。
独り暮らしには広すぎるお部屋と大きなベッド。私はまだ、その謎を解いていない。