エリート医師のイジワルな溺甘療法
「いえいえそんな、期待ってなにを言ってるんですか。滅相もございません! 車の後部座席、最高です」
「へえ、そうなのか?」
「はい……先生が意味深に“個室”って言うから、誤解しただけです。だから、怒ってもいませんよ」
「誤解か。どう考えていたのか、教えてくれないか?」
「そんなの、秘密ですっ」
さっき考えていた事なんか、とても本人に言えない。
ドン引きされて、ここから追い出されちゃいそうだ。
室内灯の明かりの下で見る先生の顔は、笑っているけれどすごくイジワルに見える。
これって、私、からかわれてるのかな。
「ほら、見るから早く脱いで」
「……はい」
私は靴下を脱いで背中をドアに預けて座り直し、先生の膝の上に足をそっとのせた。
「うん、やっぱり浮腫んでるな。君は怖がりなくせに、相当がんばったんだな」
先生の大きな手のひらに包まれると、あたたかくて気持ちいい。
まるで良質の温泉に浸かっているような、ほっこりした気分になる。
前回の診察でされた強烈なストレッチではなく、今はすごくやさしくマッサージをしてくれている。
先生は、誰でもこんなふうに、プライベートでも診るのかな。私だけかな。それとも、たまたま会ったから気まぐれで診てるのかも。