エリート医師のイジワルな溺甘療法


彼氏いないアラサー女にこんなことをしたら、普通に勘違いするじゃないの。罪作りな人。

自分がどれだけ女ごろしなのか、自覚がないのかもしれない。


「……先生は、モテるんですよね」

「急に、なんだ?」

「入院中にいっぱい噂を聞きましたので。看護師さんとか、女医さんとか。みんな、綺麗な人ばっかり」

「まあ食事に誘われることは多いかな。薬品会社の営業の子から患者までバラエティに富んでいる。中には診察中に誘ってくる子もいるぞ。治ったら、付き合ってくださいって。全部、断ってるけど」

「あ。そう、なん、ですか。診察中に……」


なんてことだ。麻友、ダメだわ。あなたはインパクトあるって勧めてくれたけど、診察中のお誘いは先生にとって日常茶飯事だった。崖から飛び降りる覚悟で誘っても、速攻お断りされてたよ。

モテ男をデートに誘うのは、スペシャルハードミッションで、想像以上の高等技術が必要みたいだ。受け身一辺倒だった私なんかじゃ、太刀打ちできない。

でも、これ以上私の勘違いが増幅しないうちに、ここで玉砕しておくべきかもしれない。勇気を出さなくちゃ。

でもいざ誘おうとすると、緊張して口が開かない。

このあとお食事しませんかって、言うだけなのに。


< 34 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop