エリート医師のイジワルな溺甘療法
ぼやぼやしているうちに、先生はマッサージの手を止めて私の脚を膝から下した。
「よし、これでかなり良くなっただろう」
脚は、はれぽったい感覚が薄れていて、見た目もすごくスッキリしている。
「ありがとうございます。ゾウみたいな脚だったのに、すごく楽になりました」
「どういたしまして。これでも名医と言われているからな。これくらいは容易い。ところで、瀬川さんはこの後帰宅するだけ?」
「はい。どこにも寄らずに帰って、食べて寝るだけです」
我ながら色気の欠片もない回答だと思うが、咄嗟に気の利いたことも言えない。
今のタイミングで、お礼に食事をって、言えばよかったのに……。
「じゃあ、飯食いに行こうか。君を待っていたら腹が減った。責任とって付き合ってくれ」
「は!?」
今、さらりと、なんて言いました?
靴下をはく手を止めて、先生の端正な顔をガン見する。
聞き間違いじゃないよね?
「なんだ嫌なのか? 奢るし、ついでに家にも送るぞ。悪くないだろ」
先生は背もたれに腕を置いて、私の方に少し顔を寄せてきた。
覗き込むようにされて、胸が高鳴る。