エリート医師のイジワルな溺甘療法


「あの……先生は、ここによく来るんですか?」

「初めてだよ。前にここの話を聞いたことがあったんだ。店が洒落ていて、肉もうまいって。君はなににする?」

「あ、そうですよね。えーっと……」


先生に促されて慌ててメニューに目を通すが、写真がなく文字だけで書かれているので、どんなものかピンとこない。

それに、どれも値段が高くて躊躇してしまう。一番安いのが和牛のステーキで、四千円もするのだ。ビビる。

先生の奢りだって言ったけれど、彼女でもないのに、本当にいいのかな……。


「迷うなら、俺が適当に決めていいか? 腹が減った」

「す、すみませんっ……お願いします」


もうステーキ選びは先生にお任せして、焼き加減とかソースなどを訊いてくるからそれに答えるだけにした。


しばらくしてワゴンに乗せられて登場した料理を見て、その皿数に目が点になる。

先生はコース料理でも注文したんだろうか。スープ、オードブル、サラダ、ミニグラタン、パン、それにステーキが並ぶ。

おまけに「デザートもあるぞ。しっかり食え」と言う。

ボリュームたっぷりだが、久々に働いてお腹はペコペコ。正直食べられない量じゃない。


< 38 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop