【惑溺】わたしの、ハジメテノヒト。
うわぁ。
綺麗な女の人だなぁ……。
リョウくんが一緒に暮らしてるっていう彼女さんかなぁ。
ソファーに押し倒されたままあたしは突然現れた彼女の美しさにおもわずため息をついた。
綺麗に染められた栗色の長い髪。
長い睫毛に縁どられた黒目がちの瞳。
ピンクのグロスが塗られたふっくらとした唇。
白く華奢な肩。
くびれた腰。
まるで雑誌の中で笑うモデルさんみたいに綺麗な女の人が、あたしの事を睨みつけて立っていた。
せっかく美人さんなのに、そんな恐い顔したらもったいない。
きっと笑ったら、もっともっと綺麗なのになぁ……。
なんてぼんやりと思っていると
「なにやってんのよ! 誰よ、その女っ!!!」
あたしとリョウくんに向かってヒステリックに叫んだ。
「別に、ただのクラスメートだけど?」
リョウくんは彼女の叫び声に動じることもなく平然と言いながら、あたしの髪をその長い指でゆっくりとなでた。