☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「……沙耶さま、本当によろしいのですか?」
町に近づいていく最中、後ろで不貞腐れていた私は,運転してくれていた護衛の和貴に話しかけられ、体を起こした。
和貴ぐらいなものである。
こんな馬鹿馬鹿しいことに、真面目に付き合ってくれる人なんて。
「良いのよ。みんなして……私のことを奥さまと呼ぶけど、私、相馬の奥さんになってないから」
「えっ?でも、籍は……」
「籍は、ね。どうでも良かったけど……茅耶たちのためにも、そうはいかないじゃない?でも、それはそれ。御園の重鎮たちは、“儀式”を受けていない私は“正妻”として認められず、愛人の地位なんだとさ」
地位とか、んなもんはどうでも良い。
私が相馬にキレたのは……
「大体さ!おかしくない!?」
「はぁ……」
「籍入れたけど、あいつ、私を抱こうとしないんだよ?あんまり言うと、私が欲求不満みたいに聞こえるんだけど……重鎮たちは私は認められないから、他の女をと相馬に薦めているし、って、そんなこともどうでも良いんだけど!」
段々、自分が何を言っているのか、わからなくなってきた。
相当、頭が混乱しているらしい。
「……とにもかくにも、」
「はい」
一通り叫んだら、なんか、胸の中がスッキリした。
それをちゃんと聞き、返事をする和貴は、本当に優秀である。
「私を抱こうとしないくせに、重鎮のことも突っぱねる意味がわからないの」
「……」
「私さ、今、失敗したかもしれないって思ってんだよね」
あの時、相馬のことに気づかない振りをしていれば。
相馬に“選択権”を与えなければ、相馬が今、こんなにも私のことで悩まなくてすんだんだろうか。