☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
考え始めると、どんどん、暗い方にいってしまうので、私は頭を振った。
――そう、彼が“儀式”を行わない理由。
それは、私の身体のせい。
茅耶と悠哉双子を生むときに、止まってしまった心臓。
彼は、その再発を恐れているのだろう。
再発なんて、あり得ないのに。
おまけとして、この不自由となった左半身もセットかもしれない。
彼は気にしやすいから。
基本的に運動系で、じってしておくことが苦手な私のことを相馬はよく知っていた。
だからこそ、身体のせいでじっとしていることが多くなった私のことを気に病んでいるのだろう。
「私が相馬に“選択権”を与えなければ、相馬は苦しむことがなかったって。今なら、思うの」
「沙耶さま……」
「相馬が頭を冷やして、私が置いてきた選択三つの内どれかを選んでくれなければ、私は二度と、あそこに帰れない」
「……」
「それに、喧嘩しながらだったから、お昼寝中だった茅耶と悠哉も置いてきてしまったし。相馬が居ない間を見計らって、双子を迎えにいかなきゃな……」
「……そんなことまでなさるのですか?」
吃驚したのか、声が上ずった和貴に私は笑って。
「あの二人が居なくなったら、現実が見えるでしょう?他の奥さんを迎えることも考えてくれるでしょう」
「……」
沈黙が、ひとりでに沈む。
――その時の自分の顔がどんな顔をしていたかなんて、沙耶は気づいていなかった。