俺だけのLovelyメイド

***


「……んん」



……寒い。今、何時だろ?

うっすらと目を開けて、辺りを見回した。



その時、ふと気付いた。
眠っていたあたしの首に巻かれていた、赤いチェックのマフラー。


──すぐにわかる。

落ち着く、香水の香り。





「……東條?」




その時。ガチャッと、屋上のドアのノブを回す音が聞こえた。

急いで立ち上がり、ドアの方に目を向ける。




「……っ東條‼」



思わず漏れた、声。

あたしの声に、ドアに手をかけたままの状態で東條は顔を上げた。



──声、かけたのは良いんだけど。

どうしよう……なんて言えばいい?


ふとマフラーが視界に入り、ギュッとマフラーを握りしめた。




「これ……、東條、だよね?」
< 292 / 320 >

この作品をシェア

pagetop