あなたの心を❤️で満たして
『厚志、縁談だ』
仕事から戻ってきた父に初めて話を聞かされたのは、大学院を卒業して二年くらい経った頃だ。
『縁談?』
俺に?と聞くと頷き、ニヤリと意地の悪そうに笑う。
『意外か?お前みたいな研究の虫にも縁談があるのか…といった顔つきだな』
そう言うとネクタイを緩めてソファの向かい側に腰を下ろした。首元から抜き取ったネクタイを母に渡し、ワイシャツのボタンを外して続ける。
『じい様がお前に…と言って準備しておいた上物だ。拒否するなよ。これは会長からの命令事項だからな』
『な……命令事項って何だよ!』
ソファから立ち上がりそうな勢いで身を乗り出すと、父はフフン…と笑いだしてーー
『白沢薬品の副社長の息子なんだから当然だろう。軽々しく誰とでも結婚できると思ったら大間違いだぞ』
自分も母とは見合いだと話し、お陰で幸せだと惚気る。
『ふざけんな!俺は結婚なんてする気がない!』
研究が好きなんだ。
新しい薬を作り出し、その効果を確かめていくのが。
仕事から戻ってきた父に初めて話を聞かされたのは、大学院を卒業して二年くらい経った頃だ。
『縁談?』
俺に?と聞くと頷き、ニヤリと意地の悪そうに笑う。
『意外か?お前みたいな研究の虫にも縁談があるのか…といった顔つきだな』
そう言うとネクタイを緩めてソファの向かい側に腰を下ろした。首元から抜き取ったネクタイを母に渡し、ワイシャツのボタンを外して続ける。
『じい様がお前に…と言って準備しておいた上物だ。拒否するなよ。これは会長からの命令事項だからな』
『な……命令事項って何だよ!』
ソファから立ち上がりそうな勢いで身を乗り出すと、父はフフン…と笑いだしてーー
『白沢薬品の副社長の息子なんだから当然だろう。軽々しく誰とでも結婚できると思ったら大間違いだぞ』
自分も母とは見合いだと話し、お陰で幸せだと惚気る。
『ふざけんな!俺は結婚なんてする気がない!』
研究が好きなんだ。
新しい薬を作り出し、その効果を確かめていくのが。