あなたの心を❤️で満たして
『お祖母ちゃん、大丈夫だから』
包み込むように拳を両手で挟み、力を抜いて…と言いながら、ゆっくり開いてみせるのだがーー。
『ああーーっ!あああーっ!!』
祖母はますます顔を歪め、その大きく開いた口からは大きな声が漏れ出している。
『いいよ、もう、留衣ちゃん。状態は分かったから』
ね?と俺を振り向く大森医師に同調した。
確かに見るからに悪い状況であることは、医師ではない俺にもよく分かった。
『辛いね。花菱さん…』
痛い思いをさせてすみません…と謝る医師と一緒に頭を下げた。
その後はお邪魔しました…と部屋を出て、二人で重く息を吐いた。
『難儀だろう?やりきれないよな』
病室の中を心配そうに見守る医師に、ええ…と声を返した。
強張りが酷くなる一方の祖母を、彼女が毎日どんな気持ちで見舞っているのだろうと思うと気の毒だった。
その日からパーキンソン病の患者向けた新薬を開発しようと試みだした。
花菱留衣の祖母には間に合わなくても、まだこれから効果が期待出来る患者が幾らでもいる。
包み込むように拳を両手で挟み、力を抜いて…と言いながら、ゆっくり開いてみせるのだがーー。
『ああーーっ!あああーっ!!』
祖母はますます顔を歪め、その大きく開いた口からは大きな声が漏れ出している。
『いいよ、もう、留衣ちゃん。状態は分かったから』
ね?と俺を振り向く大森医師に同調した。
確かに見るからに悪い状況であることは、医師ではない俺にもよく分かった。
『辛いね。花菱さん…』
痛い思いをさせてすみません…と謝る医師と一緒に頭を下げた。
その後はお邪魔しました…と部屋を出て、二人で重く息を吐いた。
『難儀だろう?やりきれないよな』
病室の中を心配そうに見守る医師に、ええ…と声を返した。
強張りが酷くなる一方の祖母を、彼女が毎日どんな気持ちで見舞っているのだろうと思うと気の毒だった。
その日からパーキンソン病の患者向けた新薬を開発しようと試みだした。
花菱留衣の祖母には間に合わなくても、まだこれから効果が期待出来る患者が幾らでもいる。