あなたの心を❤️で満たして
だが、本当はあんな末期状態の患者にも使える薬が開発したい。
けれど、あそこまで進むともう飲み薬の効果は乏しいし、貼り薬を試したところで効果が期待できる訳じゃない。
筋肉だけを弛緩させる薬を飲んでも意味がないし、それに今更手術なんてもう間に合わないーー。
(もう少し早く会いたかった。そうすればいい薬が作れたかもしれないのに…)
悔やんでも仕方ないのが病気だ。
自分が出来ることは、未来への希望が持てる新薬を開発するだけだ。
(彼女は…大丈夫かな…)
ふ…と、祖母の両手を優しく包んでいた女性の横顔が思い浮かんだ。
心配そうだけれど強そうで、芯が一本通っているように窺えた。
(あれが相手か…)
父が言った『上物』の意味が分かった。
確かに、花菱留衣は女としては上物だった。
物腰が柔らかくて繊細そうで、顔も可愛かったが、何よりもあの芯の強そうなところが気に入った。
彼女ならストイックに研究を愛する自分の側に居てもいい様な気がする。
一緒に時間を重ねていけば、新薬の開発にも磨きがかかるかもしれない。
けれど、あそこまで進むともう飲み薬の効果は乏しいし、貼り薬を試したところで効果が期待できる訳じゃない。
筋肉だけを弛緩させる薬を飲んでも意味がないし、それに今更手術なんてもう間に合わないーー。
(もう少し早く会いたかった。そうすればいい薬が作れたかもしれないのに…)
悔やんでも仕方ないのが病気だ。
自分が出来ることは、未来への希望が持てる新薬を開発するだけだ。
(彼女は…大丈夫かな…)
ふ…と、祖母の両手を優しく包んでいた女性の横顔が思い浮かんだ。
心配そうだけれど強そうで、芯が一本通っているように窺えた。
(あれが相手か…)
父が言った『上物』の意味が分かった。
確かに、花菱留衣は女としては上物だった。
物腰が柔らかくて繊細そうで、顔も可愛かったが、何よりもあの芯の強そうなところが気に入った。
彼女ならストイックに研究を愛する自分の側に居てもいい様な気がする。
一緒に時間を重ねていけば、新薬の開発にも磨きがかかるかもしれない。