あなたの心を❤️で満たして
花菱留衣の父親は、自分が経営している先物取引の会社が上手くいかず、多額の借金を背負っていた。

最初は祖父母も気の毒に思い、色々と援助をしていたのだが、父親は反省するどころか安心し、益々大口の取引に手を出すようになってしまった。

お陰で借金は減るどころか膨らんでいき、祖父母は賄いきれないと息子に言い渡し、援助を一切断った。

留衣の両親は度重なる取引の失敗に不仲となり、離婚して母親は実家へと戻ったが、父親は娘を手離さず自分の元に置くことに決めた。


【多分、孫を手元に置くことで私達夫婦からの援助が受けられると勘違いをしたのでしょう】


祖父はそう予想し、無視しておこう…と決めたのだがーーー


【それでは余りにも孫が不憫で……】


金策に走る父親の元で、娘の留衣は放っておかれた。
一日中家で一人にされることもあったらしく、見るに見兼ねて祖父母が育てることにした。


【留衣には、私達夫婦が育てることになった経緯を詳しく話しておりません。馬鹿息子は未だに反省もせず、飽きずに先物に手を出し続けております。

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