あなたの心を❤️で満たして
有能な弁護士を紹介してやろうと言いだし、ノックの音と共に、三上と名乗る弁護士が入ってきた。

彼は『全てのターニングポイントは、現在入院中の花菱珠恵様が亡くなった時にあります』と言った。


『その時に動かなければ失敗します。予めその方に会い、お話を通しておく方がいいかと思いますが…』


『でも、病室には常に孫娘が付いてますよ』


午前九時から午後五時までという話をしたら。


『病院の面会時間は午後七時までです。彼女が家に戻った頃に伺い、お話をすればいいでしょう。病院側には私から話を通しておきます。厚志様はご安心して話をされて下さい』



内容としてはこうだ。

花菱留衣の祖母に自分が亡くなったら、家や土地を売却する手筈を不動産会社と結んでおいて貰う。

意識のあるうちに売却書類に判子を押してもらい、署名は三上弁護士が代筆し保管する。


そして、死去後、売却された家屋や土地を一旦こちらが買い取る形を取るのだが、留衣の夫となるべき俺の名義では、父親に疑いを持たれてもマズいと言うのでーー。


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