あなたの心を❤️で満たして
(…でも、ああやって本ばかり読んでいたら居ないのと変わらないんじゃない!?)


同じ部屋に居ても話しかけられない。
自分の存在自体が忘れられているようで、何だかとても虚しいのだけど。


(放っておいて寝る?寝るには早いけど、これならまだ部屋に居る方がマシかも)


取り敢えず、部屋に戻れば自分の自由には過ごせる。
ここで一緒に居ても何も出来ないし、第一面白くもない。

仕方ないな…と思いソファから立ち上がると、本を読んでいた彼の視線がこっちを振り向いた。
不思議そうに眺めているから「部屋に帰ります」と零した。


「そう。じゃあ俺も」


本を閉じて立ち上がり、私が開けようと思っていたドアへ先回りする。


ガチャと手前に引いて待っている。
これはどう見ても、先に出ていい…といった雰囲気だ。


「あ…どうも」


すみません…と言いながら廊下へと出た。
レディファーストというのは、こういうことを言うのか。


ドアを閉めて出てくる彼を振り向き、歩き始めるのを待った。自分が先を行くのは変な様な気がして、後を追うつもりでいたのだ。


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