あなたの心を❤️で満たして
きちんとした夫婦になるのなら、これから先はもっといろんなスキンシップが待っている。



(ステップ踏みながら進んで行くつもり?)


今夜がこれなら次は何?
手を握ったり、頬に触れたりするの?



「ひゃああ〜もう無理っ!考えないで寝よっ!!」


バタバタと走ってベッドへ向かい、マットレスの上にダイブする様に乗って目を閉じる。

だけど、背中にはまだ抱かれた感触が残っていて、近付いたスーツから香った消毒薬の様な匂いが鼻の奥からしてくる。


(ヤダもう。変な夢見そう…)


ぎゅっと力一杯目を固く閉じて雑念を振り払おうとした。

黒沢さんの囁く声と息を感じた耳の火照りを止めようと横を向き、再び猫の様に丸くなって休んだーーー。




翌朝、黒沢さんはなんとか起きて来たけれど、やっぱり眠たそうな顔つきで……


「お坊っちゃま、昨夜は一体何時に戻られたんですか?!」


訊ねる廣瀬さんの声ですら面倒くさそうに無視している。
こんな状態の彼に自分の作った朝食を味わってもらうのも嫌だな…と思いながら、コトン…と味噌汁のお椀を目の前に置いた。

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