第一王子に、転生令嬢のハーブティーを


 アリシアは、主人公と恋に落ちる第三王子の兄、イルヴィスの婚約者という設定だ。主人公の目線では、アリシアは美しくてどこか考えの読めない令嬢と語られていた。


 主人公は当初、身分と気位の高い他のメイドから酷いいじめに遭っており、アリシアはそんな主人公に優しくしていた。だがそれもまた、他のメイドたちの機嫌を損ねることとなる。

 それでも主人公は優しくしてくれるアリシアを有難く思っていた。

 しかし話が進むと、主人公に嫌がらせをしていた本当の黒幕こそがアリシアなのだと判明する。


 アリシアは、婚約者である合理的で冷淡な第一王子イルヴィスに愛されなかった。その一方、平民でありながら第三王子に愛されている主人公の存在がストレスだった。それが嫌がらせの理由だ。


 黒幕だと判明した後、アリシアは今までの優しさは何だったのかと思うほどに荒れ狂い、婚約者だったイルヴィスから「妃にふさわしくない」と婚約破棄を言い渡されてしまう。

 その後は、医者から心の病だと診断され、国の外れにある森でひっそりと暮らすことになり、その後再び登場することはなかった。



(漫画に出ていた『アリシア・リアンノーズ』と今のわたし、性格とかはだいぶ違うような気はするけど……)



< 12 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop