蘇りのウタ
「一応外を確認しておいた方がいいと思う」


そう言ったのはカケルだった。


「確認するって言っても、外へ出るのか?」


この小屋は窓がついていないタイプのものだった。


外の様子を中から確認することはできない。


「小屋の中にいることが安全なのか、それとも外へ出て移動した方が安全なのか、知っている方がいい」


カケルはそう言うと椅子から立ち上がり、棚の方へと足を進めた。


食品のストックがある棚の下を開けると、そこには懐中電灯や動物撃退用のスプレーが置かれていた。


それらを棚から出して行ったカケルは、棚の底に手をかけた。


なにをするのかと見ていると、カケルは棚の底を持ち上げたのだ。
< 138 / 245 >

この作品をシェア

pagetop