身代わりの姫
それからも、乗馬で森に行くことが、手っ取り早いデートで、誘い合わなくても、森で待ち合わせることも増えた。
訓練のない午後。
池の畔で二人でいると、パラパラと降り出した雨がすぐに強くなってきた。
馬を馬小屋に入れて、二人で隣の小屋に入ると、ベッドが1つとテーブル、棚には緊急用具などが備えられていた。
バチバチと大粒の雨が屋根に当たる。
「しばらく止まないのかしら?」
「そうだな。雷も鳴ってる」
窓から空を見ていると、シリルが後ろから抱きしめて来た。
「アリア……」
抱きしめてくれている腕の中で、半回転してシリルの首に腕を絡めた。
シリルの顔を見ると、キスが降ってきた。
すぐに深いキスに変わる。
長くて熱いキスに、段々と体の力が抜けた。
唇を離され、シリルに抱き上げられた。
「ちょっと、シリル?重いでしょ?」
「アリア一人くらい、なんてことないさ」
そのままベッドへ下ろされた。