身代わりの姫
午後から荷造りをしたが、持って行くものは、持って来た荷物と王からの手紙だけで、荷造りはすぐに終わり、使っていた部屋の掃除をした。
夕方、教会の掃除を終えて、家に戻ると、既に料理が並べられていた。
「まあ、美味しそう。全部作ってくれたの?」
「違うわ。色んな人から頂いたの。みんな、あなたの為にって。
多分、これから集まってくるんじゃないかしら」
笑顔で教えてくれたコラの言葉に驚きを隠せなかった。
その時、トントン、とドアがノックされた。
デジがドアを開けて、どうぞ、と言って入ってきたのは、リラ、カルール、エド、ジョーだった。
みんなお酒や料理を持ってきている。
「サリ、来たわよ」
リラがそう言って抱きしめてくれた。
「ありがとう、町のみんなからもご馳走も頂いたの」
「だろうな、これから集まってくるんだろ。
とりあえず乾杯しようぜ」
ジョーの言葉に、全員がそれぞれ好きな飲み物を手にグラスを掲げた。