身代わりの姫


午後から荷造りをしたが、持って行くものは、持って来た荷物と王からの手紙だけで、荷造りはすぐに終わり、使っていた部屋の掃除をした。


夕方、教会の掃除を終えて、家に戻ると、既に料理が並べられていた。


「まあ、美味しそう。全部作ってくれたの?」

「違うわ。色んな人から頂いたの。みんな、あなたの為にって。
多分、これから集まってくるんじゃないかしら」


笑顔で教えてくれたコラの言葉に驚きを隠せなかった。


その時、トントン、とドアがノックされた。


デジがドアを開けて、どうぞ、と言って入ってきたのは、リラ、カルール、エド、ジョーだった。

みんなお酒や料理を持ってきている。


「サリ、来たわよ」

リラがそう言って抱きしめてくれた。


「ありがとう、町のみんなからもご馳走も頂いたの」


「だろうな、これから集まってくるんだろ。
とりあえず乾杯しようぜ」


ジョーの言葉に、全員がそれぞれ好きな飲み物を手にグラスを掲げた。



< 254 / 279 >

この作品をシェア

pagetop