冷愛冷涙-Reiai Reirui-
「運動することがどんなに命を縮めてるか、愛ちゃんわかってる?」


……わかってたけど、知らないふりしてた。


現実を受け止めたくなかっただけなのかもね。


「……今回倒れたでしょ?」


近藤先生はため息混じりに言った。


そのため息が、本当に痛かった。


「その発作が起きてるってことは、1ヶ月前に比べてかなり進行してるってことよ。もちろん、それを促したのは愛ちゃん自身」


………。


静かな診察室に、近藤先生の柔らかいようで棘のある声が響く。


「……言いにくいんだけどね?愛ちゃん。ちゃんと聞いて」


近藤先生は、俯く私の顔を覗きこんだ。


「なん……ですか……」
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