孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
*
聞けば、私を抱きかかえて連れて帰ろうかと考えたそうだけど、さすがに寒い夜にそれは可哀想だと、フロントを経由して母に一言連絡を入れたらしい。
苦言を返すどころか嬉々としてお泊まりの許可を出したらしい母を、社長はいい母親だと言ってくれた。
着替えを手にして洗面所に向かった社長を見送ると、部屋のインターホンが鳴った。
戸惑いながらドアを開けると、そこには私の荷物を抱えた私服姿の詩織が居た。
出勤ついでに持って来てくれたのだろう。部屋着のままで明るくなった外を歩くのは勇気のいることだったから、とても助かった。
だけど、終始ニヤニヤとした顔を私に向けていた詩織。
彼女はなにも言わず、それが逆に恥ずかしさを煽り、小さくお礼だけを伝えて早々に部屋のドアを閉めた。
絶対に勘違いをされている。私が社長と付き合っていて、お泊まりするような間柄だと。
たしかに、告白はされたけれど……
――『好きなんだ』
社長が私に向けて言った言葉を反芻すると、胸は鼓動を早め、瞬く間に頬は上気する。
唐突な言葉はまだ現実味がないものの、私を見つめるあの瞳に嘘偽りはなかったと思う。
今目の前になくとも、思い出すだけで胸がときめきだす私は、社長のこと……
聞けば、私を抱きかかえて連れて帰ろうかと考えたそうだけど、さすがに寒い夜にそれは可哀想だと、フロントを経由して母に一言連絡を入れたらしい。
苦言を返すどころか嬉々としてお泊まりの許可を出したらしい母を、社長はいい母親だと言ってくれた。
着替えを手にして洗面所に向かった社長を見送ると、部屋のインターホンが鳴った。
戸惑いながらドアを開けると、そこには私の荷物を抱えた私服姿の詩織が居た。
出勤ついでに持って来てくれたのだろう。部屋着のままで明るくなった外を歩くのは勇気のいることだったから、とても助かった。
だけど、終始ニヤニヤとした顔を私に向けていた詩織。
彼女はなにも言わず、それが逆に恥ずかしさを煽り、小さくお礼だけを伝えて早々に部屋のドアを閉めた。
絶対に勘違いをされている。私が社長と付き合っていて、お泊まりするような間柄だと。
たしかに、告白はされたけれど……
――『好きなんだ』
社長が私に向けて言った言葉を反芻すると、胸は鼓動を早め、瞬く間に頬は上気する。
唐突な言葉はまだ現実味がないものの、私を見つめるあの瞳に嘘偽りはなかったと思う。
今目の前になくとも、思い出すだけで胸がときめきだす私は、社長のこと……