孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
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 不安に思うことはちゃんと社長に尋ねなくちゃいけない。

 ルイさんのいるところでは話しづらいことだったから、帰ってから電話をしてみた。

 けれど、応答してくれた社長の向こうにルイさんの声がして、出張の労いと今日もまた夕飯を御馳走になったことへのお礼だけを言った。

 メッセージを送っても良かったけれど、そばにルイさんがいるのなら横から覗き込まれかねないと思ったから、やっぱり直接話をするのが一番だと思った。

 なにもたしかめないままで、不安はまだ胸を渦巻いているけれど、「おやすみ」と優しく言ってくれた彼の声に、心を包まれながら眠りについたから、悪い夢は見ずにすんだ。

 

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