孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
『……佐織……』
しばしの沈黙のあと、大きなため息を吐いた社長に、のぼせ上がる私は呆れられてしまったのかと落ち込む。
『お前の部屋、何号室?』
しゅんとする私の顔を上げさせるのは、唐突な質問。
「え……」
『今から行く』
「えっ、今ですか……!?」
『そんな声聞かされたら、こんな離れたところにじっと座ってはいられない』
ため息混じりに言う社長は、どこまでも私の胸をときめきであふれ返らせる。
たとえそれがうぬぼれかもしれなくても、未来は不毛だったとしても、やっぱり信じたい気持ちのほうが大きい。
「あの、でも今ルイさんとご一緒では……」
『ルイのことなら気にすることはない』
ルイさんと初めて会ったあの日、社長から言われたことを思い出した。
不安に思うことがあるならちゃんと社長に伝えるべきだ。
ルイさんを疑っているとかそういうことではなくて、私はやっぱり社長に仕えている身だから、彼に言われたことは素直に従うべきだと思ったから。
しばしの沈黙のあと、大きなため息を吐いた社長に、のぼせ上がる私は呆れられてしまったのかと落ち込む。
『お前の部屋、何号室?』
しゅんとする私の顔を上げさせるのは、唐突な質問。
「え……」
『今から行く』
「えっ、今ですか……!?」
『そんな声聞かされたら、こんな離れたところにじっと座ってはいられない』
ため息混じりに言う社長は、どこまでも私の胸をときめきであふれ返らせる。
たとえそれがうぬぼれかもしれなくても、未来は不毛だったとしても、やっぱり信じたい気持ちのほうが大きい。
「あの、でも今ルイさんとご一緒では……」
『ルイのことなら気にすることはない』
ルイさんと初めて会ったあの日、社長から言われたことを思い出した。
不安に思うことがあるならちゃんと社長に伝えるべきだ。
ルイさんを疑っているとかそういうことではなくて、私はやっぱり社長に仕えている身だから、彼に言われたことは素直に従うべきだと思ったから。