孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「なんだか、少し妬けちゃいます。私には入り込めないふたりの絆がある気がして」


 決して憎いとかそういう感情はない。

 恋愛感情抜きにしても、ルイさんへの信頼を社長が置いていることは伝わってくるし、仲良さげにじゃれ合うふたりを見ると少し寂しいと感じる部分もある。

 だけど、信頼し合える仲間がいるということはとても素敵なことだし、羨ましいとさえ思った。


「お前は……」


 短くため息を吐いた社長は、音もなくそっと私の体を押し倒す。

 なにが起きたのかわからなかったのは一瞬のことで、切れ長の瞳が私を見下ろし、強い眼差しで私をソファに縫い止めた。


「無理矢理妬かせるより、なんでもないところで受ける嫉妬のほうが……そそるな」


 ぎらりと色香を挿した瞳が照明に陰り、私を見つめながら迫る。

 社長の呟きを理解するより早く、また頭の中を溶かすような濃密なキスをもらって、ぼんやりとなった。
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