孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「ああ、悪かった。怖がらせてしまって」


 申し訳なく眉を下げる社長に、かぶりを振ってみせる。


「でも、嬉しいです……それだけ、私を求めてくれているってことですよね?」


 答えなんてもらわなくても、社長の気持ちは十分すぎるほどにわかっている。

 それがうぬぼれなんかじゃないってことを、カップを置いた社長がそっと抱きしめて教えてくれた。


「ほんの少し怖かっただけで、いやではないんです。むしろ……」


 私を覗き込んでくる切れ長の瞳に、さっきよりも心に寄り添ったような色っぽさが揺れた。


「触れていて、ほしかったです……そのまま……」


 自分でもとんでもなく大胆な言葉を告げたと思う。

 だけど、それを恥ずかしがる余地もなく、社長は噛みつくような口づけをしながら、再び私をそこに押し倒した。
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