孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 閉められた社長室の扉に、ガチャリと厳重なロックが掛けられる。

 外からは開かないそこに囲い込まれ、いまだ不機嫌を宿した瞳に見下ろされた。


「ルイには気をつけろと言ったはずだ。あんな密室でふたりきりになるなんて」


 完全に不可抗力なことに、社長は不機嫌をあらわにしている。


「あいつのあの甘い見た目に毒され、泣かされる女をこれまでに何人も見てきた。そんなあいつをかばい立てしたのは、なぜだ?」


 尋ねるというより詰問のような言い方をした社長は、答える間も与えずに唇を強く押しつけてきた。

 突然のことに驚き目を見開く私を、切れ長の瞳が雄々しい眼差しで、至近距離から熱く見つめてくる。

 角度を変える唇の隙間から、強引に社長の熱がねじ込まれた。
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