孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 かき回される咥内に、思考までもくちゃくちゃに乱されてしまいそう。

 だけどそこには、社長の私に対する想いを感じて、拙くもそれに夢中で応えてしまう。

 今朝はあんなにやさしかったのに、今はこんなに激しさをぶつけられる。

 社長、嫉妬してくれてる……の……?


『ユウセイ!』


 水っぽいふたりの吐息が響く社長室の外で、ルイさんが扉をドンドンと叩く。

 口づけをやめないまま、ちらっと横目に滑る瞳。

 腰を抜かしそうな甘さにとろけた私から顔を上げた社長は、部屋の熱っぽさとは真逆の冷静な声を返した。


『今取り込み中だ。要件なら三十分後に聞く』

『ユウセイ!?』


 サラッとした英語でそう言い捨てるなり、社長は私をひょいと抱え上げ、応接セットのソファへ放るように横たわらせた。

 スーツのジャケットを脱ぎベスト姿になると、私が起き上がる前に上から覆い被さってきた。
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