孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
 私の意図が伝わったのか、触れる唇を離してくれた社長は、話をちゃんと聞いてくれるようだ。


「社長のそばにいる私が、社長の邪魔をしないようにって教えてくださったんです。単なるジェラシーなんかじゃなく、本当に誰よりも一番に社長の成功を願っているのは、ルイさんなんだって思いました」


 私を覗き込んでくる瞳に、ゆらりと光が揺れる。

 ゆっくりと瞼を下ろした社長は、自分を落ち着かせるように小さく息を吐いた。


「そうだ、ルイは何事にも俺を最優先する。あいつはそういうやつだ」


 なんだ、わかっていたんだ。

 社長は、ルイさんへの嫉妬を暴走させていただけじゃなかった。

 たぶん、私なんかに言われなくても、ルイさんのことならなんでもわかってくれているんだろう。


「そういうふたりに、私のほうがいっぱいヤキモチ焼いてますよ?」
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