孤高なCEOの秘密を知ったら、偽装婚約で囲われ独占愛に抗えない
「一体なんだというんだ!? 鹿島くん! 社長はなにを……」

「Please be quiet.」


 声を荒げようとする浅田室長に、“お静かに”と社長は長い指でミーティングルームを指さす。

 さすがにこの意味はわかったようで、室長はぐっと言葉を飲み込んだ。


「I will round up today for today.」

「……今日は、ここまでで切り上げるそうです」

「Thank you for the guide,Mr.Asada.」

「案内くださりありがとうございました、……と」


 さっきまでの威圧は微塵も醸さず、初めて腰低く頭を下げる社長に目を瞬き、ただ機械然と通訳に徹する。


『鹿島、人事部は何階だ?』

『あ、はい、二十一階です』

『これから行く。これ以外の予定はもうなかったろう?』

『は、はい』


 ぽかんとする浅田室長を尻目に、社長は颯爽と踵を返した。
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