占いガール
「ここです」
涼香ちゃんが開けてくれたのは階段を上がって2階の突き当たりの部屋。
女の子らしいピンクを基調とした可愛い部屋だった。
「お邪魔します」
そう言いながら室内へと足を踏み入れる。
「先生の椅子はここです」
勉強机の隣にセッティングされた椅子。
「ありがとう。じゃあ、今日は涼香ちゃんの実力を知るために簡単なテストを受けてもらうね」
椅子に座って鞄の中から今日のために用意したプリントを二枚取り出した。
「は~い」
素直に返事をして勉強机の前の椅子に座った涼香ちゃんにプリントを手渡す。
「私が教えるのは国語と算数だから、この二枚をやってみて。時間は今から30分、出来るかな?」
「頑張ります」
頷いて机に向かった涼香ちゃんは鉛筆を持つ。
「じゃ。よーいスタート」
腕時計の時間を確認して号令をかけた。
真剣な表情でプリントに取り組み始めた涼香ちゃんは、思っていたよりもすらすらと問題を解いていく。
伸び悩んでるとは言え、塾に通ってるだけあって基礎はできてるみたい。
素直だし、教えればしっかりと学んでくれそうだな。
基礎ができてる子は応用や引っかけ問題の見分けたかさえ分かれば、ぐんぐん伸びるはず。
自分が教えてる子供の学力が上がるのはやっぱり嬉しいし。
お金を頂いてるだけの働きはしたいもんね。
問題を解き進める涼香ちゃんの横顔を見つめながら、ふっと思い出す。
この家も北本さんなんだよね。
まさか、北本先輩の家とかじゃないよね?
本屋の近くに住んでるとか言ってたけど・・・。
青葉学院大学に通ってるお兄さんがいるなら、わざわざ家庭教師を雇うこともないよね。
うん、違う。
首を左右に振って、余計な詮索は止めた。