世界できっと、キミだけが
それから三日後。
学校を終え、校門を出たところで見覚えのある黒塗りの車を見つけた。
「なんだ、あの場違いそうな車」
隣にいた浩太が怪訝な顔をする。
私はなんとなく嫌な予感がして気にしないように目立たないように浩太に隠れるようにして校門を出ようとする。
「小野寺さま」
しかし、黒塗りの高級車からでて来た男性が無情にも私に声をかける。
声をかけたのは、案の定この間の伊永さんという運転手さん。
「紗千?知り合いか?」
「えと…うん…。ごめん、浩太。先帰ってくれる?」
「ああ、それはいいけど。大丈夫か?」
「うん…」
たぶん。
え、大丈夫だよね?
車にぶつかりそうになったこととか、あの人たちのことは心配かけたくなくてお父さんにはいっていない。
どうにかバレずにおさめたいんだけど…。
でも、そんな期待は簡単に無残に崩れ落ちるのだ。