世界できっと、キミだけが
「学校の近くで待機してる」
「えっ!?お屋敷とか、職場に戻ってるんじゃないの?」
思ってもない回答に私は声をあげた。
だって、そんな回答が返ってくるなんて思ってもなかった。
学校の中にいる間はきっと安心だからってその間は安らげる時間なのかと思っていたのに。
だからこそ、私が学校に行くのにも賛成だったのかと…。
「お前にとっては身代わりをしていない時間だったとしても、俺にとっては勤務時間内だ」
「それはそうかもしれないけど…」
私といることは仕事でしかないって言いきられているんだから傷つく。
傷つく権利なんてないんだけど。
竜はまじめに仕事をしているだけなんだから。
好きになったらそういうことにいちいち傷つくなんて、私って本当につくづく嫌な人間だ。
「なにか不都合でもあるのか?」
「ないわよ!少しでも、幸子お嬢様の側にいたいのかなって思ったんです!」
ああ、なんてかわいげのない発言。
ほんと、私って…。