世界できっと、キミだけが


その日から、執拗な嫌がらせのようなものが続いた。
基本的には靴箱に手紙が入れられている程度。

その中身は、いつもきまって秘密を知っているという内容だった。



いったい誰の仕業なんだろう。
考え込みながら自分の机に座り、授業の準備をしようと机の中から教科書を引き出そうとした。
教科書を引き出した瞬間、机の中からボトボトと落ちてきた紙のような束。

よく見れば写真のようだった。



「なに…これ…」



慌ててそれを全部かき集める。
まだ授業前でみんなそれぞれ散り散りになっていたおかげで見られてはいない様子。



私はその写真の束を持って教室を飛び出した。



空き教室に入ると、その写真を見る。
それは、私を隠し撮りした写真の数々。

学校にいる間のものが大半だったけど、その中に一枚だけ私がお屋敷にいる時の写真が混じっていた。
机に座り本を読んでいる姿。


なんで、こんな写真が…。
どうやって撮ったの?

学校はともかく、お屋敷の中って…。



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