世界できっと、キミだけが

｢お前自身に降りかかる災いから護るのが俺たちの仕事だ。それに宇都木が関係しているかどうかは、関係ない｣

｢…そ、か｣

｢それだけじゃないだろ。黙っていた理由は｣



少し厳しい口調でそう言われた。
私は、言葉を詰まらせ竜を見る。



｢吉沢に、何か言われたか？｣

｢……っ｣

｢やっぱり、そうなんだな｣



バカ、無言になるなんてそうだって言ってるようなもんじゃない。
やっぱりって、竜も何か気づいてたの？



｢吉沢の最近のお前への態度がおかしいことには気づいていた。海に行くことにも苦言を言っていたしな｣

｢……吉沢さん、私の事嫌いだから｣

｢お前を護ることに、感情は関係ない｣



そう割り切れないのが、恋心なんじゃないのかな。
私が吉沢さんの気持ちに気づいたくらいだもん。
吉沢さんが私の気持ちに気づいている可能性は高い。

言わばライバル。
同じ人を好きになったライバルなんだ。