世界できっと、キミだけが
そして、パーティ当日。
私は綺麗なドレスで着飾ってホテルのパーティ会場の前に来ていた。
今日は、幸子お嬢様として振る舞わないといけない。
初めてではないし、最初ほどの緊張感はないけれど、今日は側に宇都木社長もいるためその緊張感が強い。
へまはできない。
ボディーガードは最低限にと竜だけがついてきている。
ここは、宇都木主催のパーティではないし、そこで襲撃を考える者は少ないだろうとの判断もあるらしい。
確かに、さすがに宇都木関係の人も、他社を巻き込むようなそんな馬鹿な人はいないだろう。
「お前は側で愛想を振りまいていればいい」
「は、はい」
宇都木社長に厳しい声で言われびくびくしながら返事をする。
やっぱりこの人は苦手だ。
考え方も行動も、理解できない、理解したくない。
歩き出した社長について私も会場内へ入った。