世界できっと、キミだけが


「紗千~~!!」

「ふぎゃっ!痛っ、痛いよ、菜穂!」




襲われた事件から、念のためにとしばらく休んでいた学校。
あまり休みすぎると出席日数の事もあるし、万全の警護をするからと言われ通う事を許してもらった。
私自身、これ以上迷惑をかけたくないから学校はしばらく休むつもりでいたけれど。




「大丈夫?身体も、それから心も」

「うん。ありがとう。心配かけてごめんね」



今にも泣き出しそうな菜穂。
あんな場面に出くわしちゃったんだもん。
菜穂自身にもかなりショックを与えてしまったよね。

久住さんがちゃんとフォローしてくれたって聞いたけど。



「心配するよ…。あんな、あんな…っ」

「…うん。ごめん」

「ほんと、犯人の奴許せない!口封じとか!」



あんな風に巻き込みたくなかったのに。
確か、久住さんは二人に、私は偶然見かけた犯罪の目撃者で、口封じのために襲われたのだと説明したらしい。




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