世界できっと、キミだけが


「え…?」



学校を終え、菜穂と一緒に校門に進むと校門にそこに似つかない高級車を見つけた。
いつかと同じ状況にドキリ、としたけれどもう私には関係ないのだからと気を取り直した。


それに、高級車だというのはわかるけれど、宇都木社長が乗っていたものとはまた違うタイプのものだ。

しかし、そこから降りてきた人物に、私は目を見張った。



「やあ、久しぶりだね」

「え…あ…」



倉持浩一さん。
御曹司のパーティで出会ったあの人。
思わず反応しそうになってハッとした。
私はもう幸子お嬢様ではなく、小野田紗千としてここにいる。
ごまかさないと。



「あ、あの。どちら様ですか?人違いでは…」

「人違い?まさか。君を間違うわけないよ」

「え…」



どうして?
バレてたの?
私、なりきれてなかったの?



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