世界できっと、キミだけが


こんな高級車を乗り回しておいて庶民派はないだろうと突っ込みたい。
無理だけれど。



「あ、あの。私、小野田紗千といいます」

「ん?ああ、ごめんね。さっきから君呼ばわりで。知ってるよ、紗千さん。君の事少しだけ調べさせてもらったんだ」

「そうなんですか」



確かに、調べなくちゃあの場所にいるわけがないか。
変に納得した私がいる。
最近非日常にいたせいか、ちょっとのことじゃあ動じなくなってきている気がする。



「紗千さん。いい名前だね」

「ありがとうございます」

「それで、晴れて宇都木からは解放されたんだよね?」

「解放っていうか…。まぁ、そうです」

「じゃあ、アピールし放題ってことだね」

「え?」



爽やかな笑顔を向けられて戸惑う。
アピールって?
王子スマイル過ぎて破壊力高い!



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