世界できっと、キミだけが
「こ、ここです!」
カフェまで案内していた私は、丁度いいタイミングでカフェの入り口を見つけ話を逸らした。
浩一さんはそんな私に気づき、フッと笑いながら私の案内通りそのカフェに入っていく。
「お洒落なカフェだね。紗千さんがよく来てるカフェなんだ」
「は、はい。よくっていっても、私貧乏生活していたのでごくたまになんですけど…」
「そう。じゃあ、入ろうか」
本当にこんなところに案内してよかったんだろうか。
確かにここは、私のよくいっているカフェで。
私にとっては安くて美味しいとっておきの場所だけど。
浩一さんの感覚ではどうかはわからない。
保障できないよ…。
そんな事を考えながらも案内されるままに窓際の席に座った。
「さっきの話の続きだけど…」
「え…」
「僕の事、本気で考えてくれるとうれしいな」
「ちょ…、あ、あの。本気なんですか?その…、私なんて、幸子お嬢様と違ってなにも持ってないし…」